結論:血糖値の乱高下(血糖スパイク→急降下)は、ミトコンドリアを「摩耗・酸化」させ、ATP(エネルギー通貨)の生産効率を落とします。
結果として起きるのは、根性不足ではなく“電力不足”です。午後に眠い、集中できない、イライラする、朝起きられない、やる気が続かない——それはあなたの意志が弱いのではなく、細胞の発電所が荒天の中で無理稼働しているサインかもしれません。
人生のパフォーマンスを最大化するなら、真っ先にやるべきは「気合」ではなく、血糖を荒らさない食習慣の設計です。
ミトコンドリアとATP:あなたの「実行力」を動かす電力源
ミトコンドリアは“工場”、ATPは“電力”
前回までで押さえた通り、ミトコンドリアは細胞内でATP(アデノシン三リン酸)を作る発電所です。ATPは筋肉を動かすだけでなく、次のような“人生の土台”を支配しています。
- 考える(思考のエネルギー)
- 感情を整える(神経系の維持)
- 心臓を動かす、腸を動かす(生命維持)
- 回復する(修復・再生)
つまり、ATPの質と量が落ちると、才能や意志とは無関係にパフォーマンスが落ちます。
そして、この工場を錆びさせる最大要因として扱われているのが、今回のテーマである血糖値の乱高下です。
狩猟採集民は「血糖が穏やか」だった:現代との決定的な差
血糖値が“凪”の暮らしと、“荒波”の暮らし
ソースでは、狩猟採集生活を送る人々のフィールドワークから、血糖値が80前後で安定し波が小さいことが示唆されています。一方、現代人は平均100前後を中心にしつつも、食事のたびに大きな上下を起こしやすい。
ここで重要なのは「数値」より「波」です。
- 狩猟採集生活
- 毎日必ず狩りが成功するわけではない
- 数日に一度の食事でも耐えられるシステム
- 血糖が下がれば、体内で上げる仕組みが働く
- 極端な乱高下が起きにくい
- 現代社会
- 1日3回(以上)、365日、何十年も
- 糖質中心の食事で、上げて下げてを繰り返す
- 例えるなら**「常に海が荒れている」状態**
あなたの心が落ち着かない、集中が続かない、焦燥感が抜けない。
それはメンタルの問題に見えて、実は血糖の荒波が背景にあるケースがあります。
血糖スパイクのメカニズム:上げて、下げて、さらに欲しくなる
白米・パン・砂糖で血糖が急上昇する理由
白米、パン、砂糖などの糖質を摂ると、血糖値が急上昇し、場合によっては200近くまで上がることがあります(個人差あり)。
身体にとっては異常事態です。なぜなら人類史的に、これほど急激な高血糖を日常的に繰り返す環境がほぼ存在しなかったからです。
定義:血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇し、その後急降下する現象のことです。
問題は“高いこと”だけでなく、“上下の激しさ”にあります。
インスリンの大量分泌と、反応性低血糖
急上昇した血糖を処理するために、膵臓がインスリンを分泌します。インスリンは、血液中の糖を細胞へ取り込ませ、血糖を下げるホルモンです。
ところが、急上昇が大きいほど、インスリンも「ドバッ」と出やすくなります。すると今度は血糖が急降下し、次の状態が起こります。
- ぼーっとする
- 眠気が強くなる
- イライラする
- 不安になる
- 手が震える
- “さらに糖が欲しい”衝動が出る
定義:反応性低血糖
反応性低血糖とは、食後のインスリン分泌が過剰になり、血糖値が必要以上に下がってしまう状態です。
このとき脳はエネルギー不足を“危険”として処理し、感情と欲求を強く揺さぶります。
つまり、血糖スパイクはただの「食後の眠気」ではなく、感情・行動・意思決定をハックする現象になり得るのです。
インスリンだけでは終わらない:副腎が「予備システム」として酷使される
血糖を“下げる”のは1種類、“上げる”のは複数種類
人間の身体は、進化の大半を“飢餓”と共に生きてきました。だから設計としてはこうなっています。
- 血糖を下げるホルモン:基本的にインスリンだけ
- 血糖を上げるホルモン:複数(アドレナリン、コルチゾールなど)
血糖が急降下し「命の危険」に近い状態だと判断されると、副腎が作動して、アドレナリンやコルチゾールを放出し、血糖を上げようとします。
つまり現代人は、食事のたびに
- 急上昇(パニック)
- インスリンで急降下
- 副腎で持ち上げる
という、本来不要だった内臓の綱引きを延々とやっていることになります。
なぜ血糖の乱高下がミトコンドリアを壊すのか
ここが本題です。血糖スパイクは、単に太る・眠い、の話では終わりません。細胞内の発電所そのものにダメージが入り得るという点が重要です。
ミトコンドリアにとって「過剰な糖」は想定外の燃料
ソースでは、過剰な糖が流れ込む状況を、車の燃料に例えています。
- 高出力の車に、合わない燃料を無理やり入れて回す
- 回るが、燃焼が汚くなり、スス(副産物)が増える
この“スス”に相当するのが、活性酸素です。
定義:活性酸素
活性酸素とは、エネルギー産生の過程で生じる反応性の高い酸素分子で、過剰になると細胞やミトコンドリアを酸化させる原因になります。
活性酸素が増えると「サビ=酸化」が進む
過剰な糖を処理するためにミトコンドリアが無理稼働すると、活性酸素が大量に発生しやすくなります。
結果、ミトコンドリアは酸化し、機能が落ち、ATPが作れなくなります。
そして最悪なのは、ここからの連鎖です。
- ATPが減る
- 回復力が落ちる
- さらに疲れて甘いものに手が伸びる
- 血糖が荒れる
- ミトコンドリアがさらに摩耗する
このループに入ると、「頑張りたいのに頑張れない」が慢性化します。
ミトコンドリアが弱ると、人生は“勝手に”落ちる
代表的なサイン
ミトコンドリアの機能が落ちると、才能や根性ではどうにもならない形で、次の症状が現れやすくなります。
- 意欲・集中力の欠如
- 午後の強烈な眠気
- バイタリティ低下
- 朝起きられない
- 常にエネルギー不足感がある
重要な臓器ほどミトコンドリアの含有量が多いと言われます。だからこそ、膵臓や副腎を酷使し続けると、身体は“省エネモード”に入ります。
ソースの表現で言えば、ミトコンドリアがストライキを起こすような状態です。
今日からできる「血糖を荒らさない」実装ルール
ここからは、あなたのサービスが目指す「習慣×思考×実行」に直結する、現場で使える設計に落とします。完璧は不要です。まずは“波を小さくする”。
1. 糖質を単体で食べない
血糖が最も荒れやすいのは「糖質オンリー」の食べ方です。
- おにぎりだけ
- 菓子パンだけ
- 麺だけ
まずはここを崩します。
- タンパク質(卵・魚・肉・大豆)
- 食物繊維(海藻・きのこ・野菜)
- 脂質(ナッツ・オリーブオイル等)
この“緩衝材”を足すだけで波は小さくなりやすい。
2. 食後の眠気を「警報」として扱う
食後に毎回眠いなら、それはあなたの意思の問題ではなく、血糖の波が強いサインかもしれません。
- 眠気が軽い → OK
- 立っていられないほど眠い → 調整ポイント
3. 「一日三回の荒波」をやめる設計
いきなり食事回数を変える必要はありません。
まずは朝か昼の一回だけ、血糖が荒れにくい形に差し替える。
- 朝:菓子パン → 卵+味噌汁+ご飯少量
- 昼:丼単品 → 定食(主菜+汁物+野菜)
この“小さな勝ち”が、実行力を取り戻す最短ルートです。
FAQ
Q1. 血糖値スパイクは誰にでも起きますか?
起きやすさは個人差があります。ただ、糖質中心の食事、早食い、運動不足、睡眠不足、強いストレスなどが重なると、波は大きくなりやすいです。
Q2. 糖質をゼロにすべきですか?
ゼロにする必要はありません。ポイントは「量」よりも、乱高下(波)を小さくすることです。糖質を取るなら、タンパク質・食物繊維・脂質と組み合わせるのが現実的です。
Q3. 反応性低血糖のサインは?
代表的には、食後しばらくしてからの
- 強い眠気
- イライラ
- 不安感
- 震え
- 甘いものへの強烈な欲求
などです。頻繁に出るなら、食べ方の設計を見直す価値があります。
Q4. なぜメンタルが不安定になるのですか?
血糖が急降下すると、脳はエネルギー不足を危険として処理し、アドレナリンやコルチゾールなどのストレス系ホルモンが動きやすくなります。結果として、感情や衝動が揺れやすくなります。
Q5. 何から始めるのが一番簡単ですか?
最初の一手はこれです。
- 糖質を単体で食べない(タンパク質か汁物を足す)
これだけで、午後の眠気や集中の波が変わる人は多いです。
要点まとめ
- 血糖値の乱高下は、ミトコンドリアを摩耗・酸化させ、ATP産生を落とす
- 狩猟採集的な環境では血糖は比較的安定しやすいが、現代は荒波が起きやすい
- 血糖スパイク→インスリン過剰→反応性低血糖→副腎酷使、という連鎖が起こる
- 活性酸素の増加がミトコンドリアの“サビ”を進め、エネルギー不足ループを作る
- 人生の実行力を取り戻す鍵は、血糖を荒らさない食習慣の設計にある