「なんとなく疲れが抜けない」「やる気が出ない」「眠りが浅い」。中高年の男性にこうした原因のはっきりしない不調が続くとき、その背景に「男性更年期(LOH症候群)」が関わっている場合があるといわれます。女性の更年期に比べて症状の出方がゆるやかで気づきにくく、加齢や性格、仕事のせいと片づけられがちなのが特徴です。本記事では、語られる症状の整理から、生活で今日からできる工夫、そして「どこに相談すればよいか」までを、自己判断に偏らない形でまとめます。

男性更年期(LOH症候群)とは

男性更年期は、医学的には「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれます。LOHは Late-Onset Hypogonadism の略で、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下などが背景にあるとされる、心身のさまざまな不調の総称として語られます。発症する年代に決まりはなく、一般には40代以降に意識されることが多いとされますが、30代でみられることもあれば、70代でも自覚が乏しいこともあるといわれます。

男性更年期(LOH)はゆるやかに進み気づきにくいため、サインの理解・生活の土台づくり・適切な相談先の3つを押さえることが大切とされます。

テストステロンは筋肉や骨、性機能だけでなく、気分や意欲、集中力、睡眠の質にも関わると考えられています。そのため、低下が指摘される時期には、身体・精神・性機能の3つの領域にまたがって不調があらわれやすいと説明されることがあります。ただし、不調の原因はホルモンだけではなく、ストレス・睡眠不足・運動不足・生活習慣・他の病気など複数の要因が重なって生じることが多いとされます。「年齢のせい」と決めつけず、背景を切り分けて考える姿勢が役立ちます。

女性の更年期との違い

女性の更年期は閉経という明確な区切りがあり、ホルモンが比較的短期間で大きく変化するとされます。一方、男性の場合はテストステロンの低下が長い年月をかけてゆるやかに進むことが多いといわれ、変化のきっかけがはっきりしないぶん、本人も周囲も気づきにくいという特徴が指摘されています。

気づきにくい理由とサイン

男性更年期が見過ごされやすいのは、症状が「疲れ」「気分の落ち込み」「眠れない」といった、誰にでも起こりうる日常的な不調と重なるためです。仕事の忙しさや責任、家庭の変化など環境要因とも区別しづらく、「最近調子が出ないのは年齢のせい」と納得してしまいやすいといわれます。

次のような変化が複数、しかも数週間以上続いている場合は、心身からのサインとして受け止めてみる価値があるとされます。

語られる主な症状

男性更年期で語られる症状は、大きく「身体症状」「精神・心理症状」「性機能に関する症状」の3つに整理されることが多いとされます。下表は、よく挙げられる例をまとめたものです。あくまで一般的に語られる傾向であり、すべてが当てはまるわけでも、当てはまれば該当すると断定できるものでもありません。

領域 語られる主な症状の例
身体症状 疲れやすさ、倦怠感、関節や筋肉の違和感、のぼせ・発汗、動悸、睡眠の質の低下
精神・心理症状 気分の落ち込み、意欲・気力の低下、イライラ、不安感、集中力や記憶力の低下
性機能に関する症状 性欲の変化、勃起に関する変化、朝の勃起の減少

これらの症状は、うつ病・睡眠障害・甲状腺の病気・生活習慣病など、別の原因によっても起こりうるとされます。そのため「男性更年期かもしれない」と感じても、自己判断で結論づけず、後述のように専門の窓口で相談しながら原因を整理していくことがすすめられます。

セルフチェックの目安

受診の前に、自分の状態を振り返るための目安として、次のチェックリストが役立つとされます。これは診断ではなく、あくまで気づきと相談のきっかけづくりのためのものです。

チェック項目 当てはまる
原因のわからない疲れが数週間以上続いている
以前は楽しめたことへの興味が薄れている
気分の落ち込みやイライラが続いている
夜の眠りが浅く、日中に強い眠気がある
集中力・記憶力の低下を自覚している
性欲や性機能の変化が気になる
不調のせいで仕事や生活に支障が出ている

複数の項目が当てはまり、しかもその状態が続いていてつらいと感じる場合は、生活の工夫とあわせて、専門の窓口への相談を検討する目安になるとされます。

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生活でできる工夫

不調の背景には複数の要因が関わるとされるため、まずは睡眠・運動・栄養・ストレス管理という生活の土台を整えることが基本とされます。一度にすべてを変えようとすると続きにくいため、できることから一つずつ始めるのが現実的です。

睡眠を整える

睡眠はホルモンや気分の安定に関わるとされ、土台のなかでも重要です。起床時刻をなるべく一定にし、朝に自然光を浴びると体内リズムが整いやすいといわれます。就寝前のカフェインや就寝直前のスマートフォン・パソコンの使用は控えめにし、寝室を暗く静かに保つことも質の向上につながるとされます。眠れない状態が続く場合は、無理に頑張らず相談することも選択肢です。

運動を取り入れる

適度な運動は、気分・睡眠・体力の維持に役立つとされます。特別な準備がいらないウォーキングや、軽い筋力トレーニングから始めるのがすすめられます。「一駅分歩く」「階段を使う」など、日常の動きを少し増やすだけでも積み重ねが期待できるとされます。強度を一気に上げず、無理のない範囲で習慣化することが続けるコツです。

栄養・食事を見直す

主食・主菜・副菜をそろえ、たんぱく質・野菜・適度な脂質をバランスよくとることが基本とされます。極端な糖質制限やカロリー不足、欠食は、かえって疲労感や気分の不安定さにつながる場合があるといわれます。アルコールのとりすぎは睡眠の質を下げるとされるため、量と頻度を見直すことも役立ちます。

ストレスとつき合う

慢性的なストレスは心身の不調と関連が指摘されています。完全になくすことは難しくても、ためこまない工夫が大切とされます。趣味やリラックスできる時間を意識的に確保する、信頼できる人に話す、深呼吸や軽いストレッチで緊張をほぐすなど、自分に合った方法を見つけることが役立つとされます。一人で抱え込まないことも、立派なストレス対策です。

相談先の選び方

症状がつらい、長く続く、生活に支障が出ているという場合は、自己判断を続けるよりも専門の窓口に相談するのが安心です。どこに行けばよいか迷うときは、気になる症状から選ぶとよいとされます。

気になる症状の中心 相談を検討できる窓口の例
性機能の変化、男性ホルモンの不調全般 泌尿器科、男性更年期外来・メンズヘルス外来
気分の落ち込み、不安、不眠が強い 心療内科、精神科
どこに行けばよいか分からない かかりつけ医、内科で相談し紹介を受ける

受診の際は、いつから・どんな症状が・どのくらい続いているかをメモして持参すると、相談がスムーズになるとされます。市販のサプリメントやホルモンに関わる対処を自己判断で行うことは避け、まずは専門家に状態を確認してもらうことがすすめられます。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の効果効能や治療を保証するものではありません。症状が続く・つらい場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

よくある質問

男性更年期は何歳ごろから起こりますか

発症する年代に明確な決まりはないとされます。一般には40代以降に意識されることが多いといわれますが、テストステロンの低下はゆるやかに進むため、個人差が大きいと考えられています。年齢だけで判断するのではなく、続く不調があるかどうかに目を向けることが大切とされます。

ただの疲れやストレスと、どう見分ければよいですか

症状だけで両者を明確に見分けることは難しいとされます。疲れやストレスでも似た不調が起こりうるためです。休息をとっても改善しない、数週間以上続く、複数の症状が重なる、生活に支障が出ている、といった場合は、自己判断せず専門の窓口で相談しながら原因を整理することがすすめられます。

生活習慣を見直すだけで対処できますか

睡眠・運動・栄養・ストレス管理といった生活の土台を整えることは、心身の安定に役立つとされ、基本として大切です。ただし、つらい症状が続く場合や生活に支障が出ている場合は、生活改善だけで抱え込まず、医療機関への相談を検討することがすすめられます。

何科に相談すればよいか分かりません

性機能の変化や男性ホルモンに関わる不調が中心なら泌尿器科や男性更年期外来・メンズヘルス外来、気分の落ち込みや不眠が強い場合は心療内科や精神科が選択肢として挙げられます。迷うときは、まずかかりつけ医や内科で相談し、必要に応じて紹介を受ける方法もあります。

家族や周囲はどう接すればよいですか

本人も気づきにくく、性格や気力の問題と誤解されやすいのが男性更年期の特徴とされます。「やる気の問題」と責めるのではなく、不調のサインかもしれないと受け止め、相談や受診を後押しする姿勢が役立つとされます。話を否定せずに聞くこと自体が、本人の支えになると考えられています。

まとめ

男性更年期(LOH症候群)は、加齢に伴うテストステロンの低下などが背景にあるとされる心身の不調の総称で、ゆるやかに進むため気づきにくいのが特徴です。疲れ・気分の落ち込み・睡眠の質の低下・性機能の変化などが複数続くときは、年齢やストレスのせいと片づけず、サインとして受け止めることが第一歩とされます。まずは睡眠・運動・栄養・ストレス管理という生活の土台を、できることから整えていきましょう。そのうえで、症状がつらい・長く続く・生活に支障が出ている場合は、泌尿器科や男性更年期外来、心療内科などに相談するのが安心です。一人で抱え込まず、適切な窓口とつながることが、回復への近道とされます。

参考文献

編集:Wellstate編集部/監修:準備中