「夕方になると、頭の両側がギューッと締めつけられる」「片側がズキンズキンと脈打って、光や音がつらい」「いつもの頭痛とはまるで違う、突然の激しい痛みに襲われた」。ひとくちに頭痛といっても、その正体はさまざまです。結論から言えば、頭痛は大きく「頭痛そのものが症状である一次性頭痛」と「別の病気が背景にある二次性頭痛」に分けられ、対処の方向性もタイプによって変わると考えられています。なかには様子を見てよいものもあれば、すぐに医療機関を受診すべきものもあります。この記事では、頭痛のおもな種類とそれぞれの特徴、引き金になりやすい要因、タイプ別に意識したいセルフケア、そして見逃してはいけない受診の目安までを順に整理します。なお、頭痛の自己判断には限界があり、気になる症状が続く場合は医療機関に相談することが大切です。
頭痛は大きく2つに分けられる
頭痛への対処を考えるうえで、まず役立つのが「一次性頭痛」と「二次性頭痛」という大きな仕分けです。一次性頭痛は、検査をしても明らかな原因となる病気が見つからず、頭痛そのものが症状の中心となるタイプを指します。いわゆる「頭痛持ち」の頭痛の多くがこれにあたり、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛がその代表とされています。
一方の二次性頭痛は、脳や全身の別の病気が原因で起こる頭痛です。風邪や副鼻腔炎、薬の影響などによる比較的軽いものから、くも膜下出血や髄膜炎のように緊急の対応を要するものまで幅があります。日常で繰り返す頭痛の多くは一次性と考えられていますが、「いつもと違う」「これまで経験したことのない」頭痛は二次性のサインのことがあるため注意が必要です。
頭痛のケアは「タイプを見極めること」から始まります。まずは一次性か、見逃してはいけない二次性かを意識することが入口になります。
つまり、自分の頭痛がどのタイプに近いのかを知ることが、セルフケアの方向性を定める手がかりになります。ただし複数のタイプが混在することもあり、自己判断だけで決めつけないことも大切です。次に、一次性頭痛のそれぞれの特徴を整理します。
タイプ別に見る一次性頭痛の特徴
一次性頭痛は、痛み方・持続時間・伴う症状によってある程度タイプを推測できると考えられています。代表的な3つの特徴を表にまとめます。あくまで一般的な傾向であり、実際には個人差があります。
| タイプ | 痛み方・部位 | 伴いやすい症状・傾向 |
|---|---|---|
| 緊張型頭痛 | 頭の両側や後頭部が締めつけられるような鈍い痛み | 肩・首のこり、長時間の同じ姿勢で悪化しやすい。一次性で最も多いとされる |
| 片頭痛 | 頭の片側(両側のことも)がズキンズキンと脈打つような痛み | 吐き気、光や音への過敏、体を動かすと悪化。前兆を伴うことがある |
| 群発頭痛 | 片側の目の奥がえぐられるような激しい痛み | 一定期間に集中して起こる。目の充血・涙・鼻づまりを伴うことがある |
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、一次性頭痛のなかで最も多いタイプとされています。頭全体や両側、後頭部から首にかけて、締めつけられるような重い痛みが続くのが特徴です。長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、同じ姿勢が続いて首や肩の筋肉が緊張することや、精神的なストレスが関わると考えられています。痛みは比較的軽度から中等度のことが多く、体を動かしても悪化しにくい傾向があるとされます。
片頭痛
片頭痛は、頭の片側を中心にズキンズキンと脈打つように痛むのが典型ですが、両側に出ることもあります。吐き気や、光・音・においに過敏になる症状を伴いやすく、体を動かすと痛みが強まる傾向があるとされています。痛みの前に視野にチカチカした光が見える「前兆」を感じる人もいます。20〜40代の女性に多いとされ、女性ホルモンの変動との関わりも指摘されています。
群発頭痛
群発頭痛は、片側の目の奥がえぐられるような激しい痛みが特徴で、一定の期間に集中して繰り返し起こるとされています。痛みのある側の目の充血や涙、鼻づまりを伴うことがあります。比較的まれなタイプですが痛みが非常に強く、市販薬で対処しきれないことも多いため、医療機関での相談が望ましいと考えられています。
頭痛の引き金になりやすい要因
頭痛は、体質だけでなく日々のコンディションや環境によっても起こりやすさが変わると考えられています。とくに片頭痛では、特定の引き金(トリガー)をきっかけに発作が起こることが知られています。原因は一つとは限らず、複数が重なって生じることがほとんどです。
- 睡眠の乱れ:睡眠不足だけでなく、休日の寝すぎも引き金になりうるとされています。
- ストレスと、その反動:強いストレスのときだけでなく、緊張がゆるんだ週末などにも起こることがあります。
- 姿勢や筋肉の緊張:長時間の同じ姿勢、首・肩のこりは緊張型頭痛と関わると考えられています。
- 空腹・水分不足:食事を抜くことや脱水が引き金になることがあるとされています。
- アルコールや特定の食品:飲酒は群発頭痛・片頭痛の引き金になりうるとされています。
- 環境の変化:気圧や天候の変化、まぶしい光、強いにおいなどが関わることがあります。
- ホルモンの変動:女性では月経周期との関連が指摘されています。
これらをすべて避けるのは現実的ではありませんが、自分の頭痛がどんなときに起こりやすいかを把握しておくと、対策を立てやすくなります。頭痛が起きた日時・状況・前後の出来事をメモする「頭痛ダイアリー」をつけると、引き金が見えてくることがあると考えられています。
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タイプ別に意識したいセルフケア
頭痛のセルフケアは、タイプによって向き不向きがあると考えられています。やみくもに対処すると、かえって悪化させてしまうこともあるため、自分の頭痛の傾向に合わせて選ぶことが大切です。
緊張型頭痛が疑われるとき
首・肩の筋肉の緊張や血流の滞りが関わると考えられるため、体を温めて筋肉をゆるめる方向のケアが合いやすいとされています。蒸しタオルや入浴で首・肩を温める、軽いストレッチや肩回し、長時間同じ姿勢を避けてこまめに休憩を入れる、といった工夫が挙げられます。デスクワークが多い人は、画面の高さや椅子の調整など姿勢の見直しも役立つと考えられます。
片頭痛が疑われるとき
片頭痛では、温めるよりも痛む部分を冷やし、暗く静かな場所で安静にするほうが楽に感じられることが多いとされています。光や音の刺激を避けて横になり、可能であれば少し眠るのもよいとされます。なお、片頭痛の最中に首や頭を温めたりマッサージしたりすると、かえって痛みが強まることがあるとされる点には注意が必要です。引き金となる生活リズムの乱れを避けることも、発作を減らす助けになると考えられています。
市販の鎮痛薬との付き合い方
市販の鎮痛薬は、痛みがつらいときの選択肢になりますが、使い方には注意が必要です。頭痛をおそれて鎮痛薬を頻繁に使い続けると、かえって頭痛が起こりやすくなる「薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)」につながることがあると指摘されています。市販薬を月に10日以上使う状態が続くような場合は、自己判断で量を増やさず、医療機関に相談することがすすめられています。持病や服薬がある方、妊娠中・授乳中の方は、使用前に医師や薬剤師に相談してください。
今日から見直したい生活習慣リスト
頭痛のタイプを問わず、生活習慣を整えることは、頭痛が起こりにくい土台づくりにつながると考えられています。すべてを一度に変える必要はありません。できそうなものから取り入れてみてください。
- 睡眠リズムを一定に:就寝・起床の時刻をそろえ、寝不足も寝すぎも避ける。
- 食事を抜かない:とくに朝食を抜くと引き金になりやすいとされるため、規則的にとる。
- こまめな水分補給:脱水を避け、のどが渇く前に少しずつ水分をとる。
- 同じ姿勢を続けない:1時間に一度は立つ・伸びをする・肩を回す。
- 適度に体を動かす:ウォーキングなど無理のない運動でめぐりを促す。
- ストレスをためこまない:休息やリラックスの時間を意識的に確保する。
- 頭痛ダイアリーをつける:起きた状況を記録し、引き金を把握する。
大切なのは、完璧を目指すことより無理なく続けることです。生活を整えても頭痛が改善しない、回数や程度が増えていると感じる場合は、セルフケアだけで抱え込まず、医療機関に相談することを検討してください。
注意点と受診の目安
頭痛の多くは一次性で、生活の工夫や市販薬で対処できることもありますが、なかには命に関わる二次性頭痛が隠れていることがあります。とくに次のような頭痛は、二次性頭痛のサインのことがあるとされ、ためらわず医療機関を受診することが大切です。
- 突然始まる、これまで経験したことのない激しい頭痛
- 短時間で痛みがピークに達する頭痛
- 発熱、首のこわばり、吐き気・嘔吐を伴う頭痛
- 手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの症状を伴う頭痛
- 意識がもうろうとする、けいれんを伴う頭痛
- 頭をぶつけた後に出てきた、または悪化した頭痛
- これまでと痛み方や頻度が明らかに変わった頭痛、だんだん悪化する頭痛
こうした症状、とくに突然の激しい頭痛や神経症状を伴う場合は、緊急の対応が必要なことがあるため、救急外来の受診や救急要請を検討してください。また、上記にあてはまらなくても、頭痛が繰り返して日常生活に支障が出ている、市販薬を頻繁に使っている、いつもと様子が違うと感じる場合は、自己判断で様子を見続けず、脳神経内科や脳神経外科、頭痛外来などへの相談がすすめられます。とくに持病のある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方、お子さんの頭痛では、自己判断を避け早めに専門家に相談してください。
よくある質問
頭痛のタイプは自分で見分けられますか?
痛み方や伴う症状から、ある程度の傾向は推測できると考えられています。ただし複数のタイプが混在することもあり、二次性頭痛が隠れている場合もあるため、自己判断だけで決めつけないことが大切です。気になる場合や繰り返す場合は、医療機関で相談すると安心です。
緊張型頭痛と片頭痛では対処法が違うのですか?
一般的に、緊張型頭痛では首・肩を温めて筋肉の緊張をゆるめる方向が、片頭痛では冷やして暗く静かな場所で安静にする方向が合いやすいとされています。片頭痛の最中に温めると悪化することがあるとされるため、自分の頭痛の傾向に合わせて選ぶことが大切です。
市販の頭痛薬は飲み続けても大丈夫ですか?
市販の鎮痛薬を頻繁に使い続けると、かえって頭痛が起こりやすくなる「薬の使いすぎによる頭痛」につながることがあると指摘されています。月に10日以上使う状態が続くような場合は、自己判断で量を増やさず医療機関に相談することがすすめられています。
天気や気圧で頭痛が起こるのはなぜですか?
気圧や天候の変化が頭痛の引き金の一つになりうることは経験的に知られていますが、起こり方には個人差があります。睡眠・食事・水分など整えられる要因を意識し、頭痛ダイアリーで自分のパターンを把握しておくと、対策を立てやすくなると考えられています。
どんな頭痛なら病院に行くべきですか?
突然の激しい頭痛、これまで経験のない頭痛、発熱や手足のしびれ・麻痺などを伴う頭痛、頭をぶつけた後の頭痛、だんだん悪化する頭痛などは、二次性頭痛のサインのことがあるため、ためらわず受診してください。繰り返して生活に支障が出ている場合も相談がすすめられます。
まとめ
頭痛は、頭痛そのものが症状である一次性頭痛と、別の病気が背景にある二次性頭痛に大きく分けられます。一次性頭痛の代表である緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛は、痛み方や伴う症状に違いがあり、合いやすいセルフケアの方向も異なると考えられています。緊張型頭痛では温めて筋肉をゆるめる、片頭痛では冷やして安静にする、といった具合です。睡眠・食事・水分・姿勢といった生活習慣を整え、頭痛ダイアリーで引き金を把握することも、頭痛が起こりにくい土台づくりにつながります。一方で、突然の激しい頭痛やこれまでと違う頭痛、神経症状を伴う頭痛は二次性のサインのことがあるため、自己判断せず医療機関に相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の効果効能や治療を保証するものではありません。体調不良や気になる症状が続く・つらい場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
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参考文献
編集:Wellstate編集部/監修:準備中
